大型不燃物補正を中心に

・熱しゃく減量の測定方法においては実際にるつぼで測定した値から大型不燃物補正して報告値を求める過程が分かりにくいと思いますので、重点的に解説いたします。
【大型不燃物補正の考え方】
@水分は水を掛けても掛けなくても、いっぱい掛けてもちょっとでもいいとされているので、まずは乾燥させて水分無しの状態にベース(乾燥ベース)を合わせる。
Aできることなら5kg〜10kg採取した灰を乾燥させ、できれば全部燃やしてどのくらい減るかを測りたい。それができれば大型不燃物の補正は必要なくなる。
B実際にはそんなに沢山は燃やせないのでルツボに採ることができる量の20〜50gの試料を測定することで5kg〜10kgの灰を代表してもらう。
Cところが灰の中には空き缶やビン、その他、20〜50gのルツボに採る代表サンプルには反映させにくい大きな不燃物が少なからず存在する。
Dそのため測定試料の代表性を妨げるような(ルツボに入れられない)大きな不燃物はあらかじめ除いて(篩による)おいて、後で計算であったことにして値を求めるようにした。
※なので、大型不燃物は燃やしても重量が減らないと考えられるものに限る。(金属、ガラス、がれき類)
※なので、大きくて篩に残っても未燃物(に限らず燃やすと減りそうな物)は大型不燃物に算入せず、細かくしてふるい下のサンプルに均一に分布するように混ぜる。
※注意(原則として判断するなら)
・代表サンプル(ふるい下の試料)と同成分と考えられるものが固まった物は大型不燃物ではない。細かくしてサンプルに混ぜる。
・大型不燃物の中に入っていた未燃物は大型不燃物ではない。
かといって、中に入っていた大量の未燃物をサンプルに含めて測定することも、実状を正しく反映しているとも言いづらい。
そもそもは大きな灰ピット全体を、あるいは今、排出されている焼却炉の灰の性状を少ないサンプルで代表させているので、常でない偶発的要因はできるだけ区別、排除したい。
なので中身の大量の未燃物の重量は大型不燃物の重量には含めず、かつ出てきた未燃物はサンプルには混ぜないとするのも一つの考え方か。
びんや缶にごみを詰め、かつそのまま可燃物として捨ててしまうようなことはやめてもらいたいものです。
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・何の測定においてもですが、焼却灰の測定においてもサンプリング(試料の採取)が重要です。
・灰ピットはある一定期間の灰を貯めているものとし、その中の代表試料は期間内の平均的性状であると見なし検体とすることもあります。
・実際には固体試料の場合は代表的な試料を得ることが簡単ではありません。サンプリングの際にはその点を特に留意する必要があります。
水分や軽量成分(炭などの未燃物を多く含むことがある)が表面に集まっている事もある。他と比べて黒味が濃い時や、未燃物が目に付く時は要注意!
・大型不燃物の量は多いと補正により熱しゃく減量の値が良くなる(少ない)方向に作用します。
大型不燃物は目で見ても分かるため作為的に、あるいは不自然に集めてしまうこともできてしまいますが、あくまでも均質にばらつきなく採取する必要があります。
同じ施設のごみの組成分析調査も行っていることが多いので大型不燃物の値の不自然さは明らかになります。ごみ組成の中にほとんど不燃物が無いのに灰の中に缶やビンがごろごろしていたらおかしいでしょ。最近では分別収集、リサイクルが行き届いており、そんなごみは少なくなりました。
でも、そのことは最終的な大型不燃物補正後の熱しゃく減量の値だけ見てはわかりません。大型不燃物割合、あるいは補正前の熱しゃく減量値が分かれば不自然なのはすぐに判ると思います。どう見ても不自然な値が公表されている事もあります。
※本ページの内容は主に一般可燃ごみの焼却施設についての記述になります。そうではない特殊なものを扱っている施設や、特殊な処理をしている施設には当てはまらない部分もあります。
・基本的な方法については環整95号の別表に定められています。
環整95号の別表 ごみ焼却施設の焼却残渣の熱しやく減量の測定方法
環整95号の全文は環境省HPをご覧下さい
 
 
では
環整95号による、焼却灰の分析承ります。関東一円サンプリング、水分測定、熱灼減量のみの測定も可。 お気軽にご連絡ください。 |
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